道-Tao-を描く 〜老子を詠む女性画家たちの講読会〜

<一晴画廊 企画展ブログ> 中国古典の名著、老子『道徳経』をテーマに2018年10月30日(火)〜11日11日(日)に京都の一晴画廊にて展覧会を開催します。それぞれの画家が老子を読み解き、絵画へと変換していく思考の過程を一般公開する、新しい試みのブログです。

二十、唯と阿を相い去ること幾何ぞ その2    山名しおり

山名しおりです。 引き続き「二十、唯と阿を相い去ること幾何ぞ」について触れていきたいと思います。 前回ドリアン助川さんの著書でも、この章は「孤独との対峙」として取り上げておられると紹介していますが、このブログでテキストとしている金谷治さんの…

京都の経営者と老子 宮毬紗

宮毬紗です。 若い頃に愛読した老子に、再び注目するキッカケになったのは、経営の勉強を始めてからです。 京都では、村田製作所や京セラ、ワコールなど、優れた企業が育っています。 近所の大型書店のビジネス書コーナーには、京都で活躍する経営者たちの、…

もうひとつの学校  宮毬紗

宮毬紗です。 高校生のときの、日本画の担任の先生と話をしていました。 よく実習の授業をサボって、美術館に行っていたことを。 実習の時間を美術館で過ごし、その帰り道、学校から帰る先生と鉢合わせしていました。 「また美術館に行ってたのか」と、呆れ…

絵が降ってくる  宮毬紗

宮毬紗です。 お盆休みなので、朝から汗だくになって、家の大掃除をしていました。 父が途中でやってきて、冷たいお茶で一服しました。 お盆の、お坊さんの順番が、今年は遅いねと話していました。 そういう時に、絵が降ってきます。 老子の絵のスタイルが、…

九、持してこれを盈たす  宮毬紗

宮毬紗です。 『ビジネスリーダーのための老子道徳経講義』を読んでいました。 ビジネスリーダーのための老子「道徳経」講義 作者: 田口佳史 出版社/メーカー: 致知出版社 発売日: 2017/01/26 メディア: 単行本 この商品を含むブログを見る この本は、お父さ…

二十、唯と阿を相い去ること幾何ぞ その1  山名しおり

山名しおりです。 夏休み中なので、息子と図書館へ行くことがたまにあります。 息子は絵本を選びに行きますが、せっかく図書館に来たのだからと愚図る息子を引っ張り中国古典のある書架を通りました。 表紙から面白そうでしたので、手に取ってみたのがドリア…

夜明け前に訪れる孤独な時間  山名しおり

山名しおりです。 宮さん、長谷川さんが老子と音楽について、とても素敵な記事を書いておられます。 ichiharugallery.hatenadiary.jp ichiharugallery.hatenadiary.jp 私も、ここ数日間、宮さんの「武満徹と老子」の記事からどんな「音楽を思い浮かべるだろ…

それだけの理由。  宮毬紗

宮毬紗です。 いま、リチャード・スケルトンを聴いて、泣きました。 幾与さんのせいです(笑)。 ichiharugallery.hatenadiary.jp 私たちが直接会って話した時間は、たぶん、数時間もありません。 この企画が始まったのも、私が勝手に、 「この人たちの絵と…

老子と音楽  長谷川幾与

長谷川幾与です。 先日、宮さんが老子を描くとき、音楽を聴くとしたら武満徹だとブログに書かれていました。 ichiharugallery.hatenadiary.jp 武満徹の音楽は前衛的だけど、なぜだか心地いい、そんなイメージです。 宮さんが老子と武満徹を組み合わせたのは…

徳信なればなり  宮毬紗

宮毬紗です。 最近、ある人が、インターネットビジネスで詐欺をする様子を見ました。 その人の表側は、煌びやかで、善良さに満ちているのです。 ですが裏側は、杜撰で、言い訳と誤魔化しだらけでした。 そういうものに、次々と騙されている人たちがいました…

四十五、大成は欠くるが若く  宮毬紗

若い頃、心の病をしました。 苦しくなって、ヒルティやトルストイ、ヘッセなどを幸福論を読んでいました。 幸福を目指していました。 というのも、心が苦しい自分は、不幸だと思っていたのです。 この年齢になったからでしょうか。 苦しい時期を、多感な時期…

御池通の蝉の声  山名しおり

山名しおりです。 このブログで自転車で走っているときのネタを時々書いていますが、 御池通を毎朝自転車で走っていると蝉の声が物凄いです。 大合唱です。 少し一本横の道に入ると少し蝉の声が遠のくのですが。 濁流の音のように蝉の声が凄く響いています。…

水の流れと感情の流れ  山名しおり

山名しおりです。 先週の金曜日、京都は夕方に結構雨が降り、鴨川が濁流のようになって水位も上がり 凄い勢いで流れていました。 余りに凄い雨でしたので、帰宅できず足止めを食らってしまいましたが、ようやく雨が小雨になって家路に向かう際に見た鴨川の色…

武満徹と老子  宮毬紗

宮毬紗です。 高校生のころから、武満徹が好きでした。 京大生の友達から、埴谷雄高を教わり、サルトルを意味も分からずに読んでいた、ませた女学生でした。 武満徹も、よく分からずに、ただ「美しいなあ」と思いながら聞いていました。 きれいな音なので、…

美に生きる人たち  宮毬紗

宮毬紗です。 暑い日が続きますね。 庭に面した、渡り廊下の拭き掃除をすると、額から滴り落ちた汗が、木に染み込んでいきます。 小さな頃は、渡り廊下から、庭で飼っている真っ赤な金魚を眺めるのが好きでした。 庭の苔の緑と、金魚の赤。 この色の取り合わ…

十五、古えの善く道を為す者 長谷川幾与

こんにちは、長谷川幾与です。 老子道徳経の中では、「道」を体得できた者は 「慎重で、用心深い」とされています。 数年前までの私だったら、共感していなかったと思います。 何事にも挑戦することが大切で、思い立ったらすぐ行動し、 どんどん前に進むのが…

二、天下みな美の美たるものを知るも 宮毬紗

宮毬紗です。 朝に庭仕事をしていたら、蟻の行列を見つけました。 一列になって、一定の速さで進んでいきます。 よくできた軍隊は、このような感じなんだろうかと、ふと老子を思い浮かべました。 この記事でご紹介しました『老子講義録』を読んでいます。 ic…

息子のひとこと 山名しおり

山名しおりです。 半年くらい前、息子にこんなことを言われました。 「自分を大切にすることが、周りも大切にすることなんや。」 (本人は災害時等の学校での避難訓練場面を想像してだと思いますが) 「危ない!ってなったら、ごめんやけどお母さんを置いて、…

二十三、曲なれば則ち全し  山名しおり

山名しおりです。 一昨日、出勤前に父の通院に付添いました。 総合病院ということもあるのですが、朝の八時過ぎだというのに沢山の患者さんが ロビーで待っておられました。 待てど暮らせど順番は来ない・・・。 イライラ。 こんな時こそ!せっかくできた時…

人は渦のように成長していく 山名しおり

山名しおりです。 今日はこの記事の続きを書きたいと思います。 ichiharugallery.hatenadiary.jp 私は、この章を読んで 人は行きつ戻りつしながら成長してくもの。 そんな風に捉えていると書きました。 その続きを考えているうちに、 長谷川さんが記事の中で…

不思議な縁/天からの後押しを得て  宮毬紗

宮毬紗です。 先日、致知出版社発行の『老子講義録』を買いました。 『老子講義録』とは? 政財界の首脳たちがこぞって心酔した中国哲学者・本田濟氏。本書は、平成元年10月から平成4年4月まで行われた『老子』講義全29講の全容を収録したものです。 …

二十二、企つ者は立たず  山名しおり

山名しおりです。 前回の記事でも少し触れましたが、第二十二章「企つ者は立たず」について考えていきたいと思います。 現代語訳を読みますと 「つまさきで背伸びをして立つものは、長くは立てない、大股で足をひろげて歩くものは、遠くまでは行けない。自分…

無理をしない  山名しおり

山名しおりです。 毎日暑いですね。 もう暑いし、色んなことに押しつぶされそうで無理!となっていたのですが・・。 宮さんのこの記事を拝読すると、すーっと気分が流れていく涼やかな気持ちになりました。 ichiharugallery.hatenadiary.jp この記事内で最後…

じつはコンパ・コンプレックスでした  宮毬紗

宮毬紗です。 画廊の仕事は、大好きです。 どちらかといえば、調査系の仕事が好きです。 絵の由来を調べたり、これからのトレンドを分析したり。 勉強が好きですし、接客サービスの勉強も、今かなり力を入れています。 どうしても苦手意識があるのが・・・ …

それ唯だ争わず、故に尤め無し。  宮毬紗

宮毬紗です。 山名さんの記事を拝読していて、 「ああ、私も同じようなことを考えてしまう(笑)」 と共感しきり。 この句、大好きです。 ichiharugallery.hatenadiary.jp 「上善(じょうぜん)は水の若(ごと)し。」 「水は善(よ)く万物を利して而(しか)も争わ…

境界線をなくすということ 長谷川 幾与

先ほど、たまたまテレビをつけたら、満島ひかりさん(女優)と海部陽介さん(人類進化学者)が出演する番組が放送されていました。 想像力が仕事力! | SWITCHインタビュー ここだけの話:NHK 私が一番好きな女優は、満島ひかりさんです。 抜群の演技力だけで…

八、上善は水の若(ごと)し  山名しおり

上善(じょうぜん)は水の若(ごと)し。 水は善(よ)く万物を利して而(しか)も争わず。 山名しおりです。 日々の中で色々なことがあり、やはり気分が沈むこともあります。 ここ数日、マイナスの気持ちに捉われがちになっていました。 そんな時こそ!と思い幾つか…

六十八、善く士たる者は  宮毬紗

宮毬紗です。 はああ・・・・・ ああ、なんか、だるいなあと感じる1日です・・・。 雨がしとしと降っています。 もう、このまま、だらーーーんと過ごしたい・・・。 ですが! ここでダレていても、そのまんまの私にしかなりません! もう孔子先生いわく「不…

自転車に乗って  山名しおり

山名しおりです。 最近、ふと自転車に乗っている時間に ずっと老子の思想や、それが今の日々にどう結び付くかについて考えている 自分がいることに気づきました。 そう言えば・・ このブログが始まった日も自転車で夕立に出会ったことを書いていました。 ich…

子育てと老子  宮毬紗

宮毬紗です。 娘と老子の話をしていました。 もちろん、このブログも読んでくれています。 天才的に間違い探しが得意な彼女は、 「お母さん、誤字見つけましたよー」 と、ブログの誤字脱字を教えてくれます(笑)。 美意識の強い彼女は、幼稚園が苦手でした…

執着を捨てるということ 長谷川幾与

こんにちは、長谷川幾与です。 老子の言葉を読み始めて、数ヶ月。 ようやく、「タオ」の感覚が少しずつ、掴めてきた気がしています。 老子の言葉の中で、私が今一番大切にしているのは、 「執着を捨てる」ということです。 絵を描くことに執着している時は、…

告知です:中谷彰宏さんと大人の京都をご案内  宮毬紗

宮毬紗です。 告知の記事です。 あの中谷彰宏さんとご一緒に、清水寺周辺にて、大人の文化あふれる京都をご案内いたします。 日時は2017年8月27日(日)の午前9:00〜11:00です。 なんと先着12名だそうです。 うーん、贅沢な遠足! 「敷居の高いお店に入って…

六十八、善く士たる者は(不争の兵法)    山名しおり

すぐれた戦士は怒りをみせない。 「争わない徳」「人の力を上手く利用する」 山名しおりです。 この章の現代語訳には、上記のような解説があります。 それを読んで「したたかさ」と「しなやかさ」を感じました。 これって職場や家族、日々の人とのコミュニケ…

四十一、反(かえ)る者は道の動なり     山名しおり

ー前に向かって進むのではく、あともどりをしてもとに帰っていくのが 「道」の動きかたであるー 山名しおりです。 このブログを始めるにあたり、老子道徳経の書き下し文、現代語訳を読み込み 始めました。 まだ読み込みを始めて、半年足らずの若輩者です。 …

龍のような人  宮毬紗

宮毬紗です。 孔子が弟子に、老子に会った印象を、 「龍のような人であった」 と語ったそうです。 今までの常識では、捉えられない人という意味で。 これは、孔子が老子に面会した際に、老子が、 「子の驕気と多欲と、態色と淫志とを去れ」 と叱ったというエ…

子育てと制作を支えてくれた老子  宮毬紗

宮毬紗です。 この記事で、第1章について書いていたとき、子育て中のことを思い出していました。 ichiharugallery.hatenadiary.jp とても、しんどかったです。 精神的な葛藤と、肉体の疲労と、それが毎日溜まっていく感じでした。 初めて『老子道徳経』を手…

七十六、人の生まるるや柔弱  宮毬紗

宮毬紗です。 私はオタク気質です。 一度何かを勉強しだすと、止まりません。 家にこもって、Amazonで次々と本を注文し、ついでに食べ物や飲み物も注文し、調べ尽くしていきます。 下手をすると、トイレが我慢できなくなるまで、じっーーーーとして本を読ん…

なぜ中国古典をテーマにするのか

宮毬紗です。 この度、私が経営する画廊ICHIHARU GALLERY|一晴画廊にて、老子を絵にする展覧会を企画しました。 最初から「展覧会をするのなら、中国古典をテーマにしよう」と決めていました。 経営の勉強を続けるうちに、 「画家も自分自身の経営者である…

二〇、唯と阿を相い去ること幾何ぞ  宮毬紗

宮毬紗です。 パッと『老子』の本をめくると、この章になりました。 ある人のことを考えていました。 その人に、真心を込めて言われ続けたことを。 まるで、この句をそのまま現代語訳にしたようなことを。 「衆人は煕煕(きき)として、太牢(たいろう)を享(う)…

四、道は沖(むな)しきも   山名しおり

「道は冲(むな)しきも、これを用うれば或(ま)た盈(み)たず。」 道はからっぽで何の役にもたたないようであるが、そのはたらきは無尽である。 からっぽであるからこそ無限のはたらきが出てくる。 この現代語訳を読んで、ふと自分自身の日常を見つめたとき、つ…

十六、虚を致すこと極まり  長谷川幾与

「虚を致すこと極まり、静を守ること篤し。」 一人になって、心を落ち着かせたい時、頭の中に思い浮かべる風景があります。 とても静かで、寛容で、包容力のある風景です。 何事も、生まれては還っていく。だから、固執してはいけない。 私にとって、そう思…

参考文献一覧

・金谷治『老子 無知無欲のすすめ』1977年4月 講談社学術文庫 老子 (講談社学術文庫) 作者: 金谷治 出版社/メーカー: 講談社 発売日: 1997/04/10 メディア: 文庫 購入: 1人 クリック: 41回 この商品を含むブログ (31件) を見る ・田口佳史『ビジネスリーダー…

山名しおり Shiori Yamana 略歴

山名しおり Shiori Yamana 1977 京都市生まれ 2001 第1回佐藤太清賞展 福知山市長賞受賞/福知山市美術館(京都) 他 2003 京都造形芸術大学大学院 修士課程(芸術表現専攻)修了 第29回春季創画展(同04,05,07,11~15年)/京都市美術館 第30回創画展(同04,0…

長谷川幾与 Kiyo Hasegawa 略歴

長谷川 幾与 KIYO HASEGAWA 1984 東京都生まれ2009 多摩美術大学美術学部絵画学科日本画専攻卒業2009 アアルト大学(フィンランド)短期派遣交換留学2011 多摩美術大学博士前期課程美術研究科日本画領域修了 2007 REICOF ART AWARD 2007 奨励賞受賞2008 第7…

宮毬紗 Marisa Miya 略歴

宮毬紗 MARISA MIYA 1971 京都市中京区に生まれる。 1992 二人展(ギャラリーF) 1995 第1回松柏美術花鳥画展入選(96) 個展(ギャラリー中井) 1998 第9回臥龍桜日本画大賞展入選(00、01、02、03) 2002 京展入選(09、10) 第9回川端龍子展入選 2003 第…

一晴画廊企画展 老子の道-Tao-を描く(仮) 2018年10月30日(火)〜11日11(日)

一晴画廊企画展 老子の道-Tao-を描く 出品作家: 長谷川幾与 宮毬紗 山名しおり 日程: 2018年10月30日(火)〜11日11(日) 場所: 一晴画廊 〒604-0951 京都市中京区二条通富小路西入ル晴明町660 地図: ICHIHARU GALLERY|一晴画廊 連絡先: 075-212-3484…

一、道の道とすべきは  宮毬紗

「名無きは天地の始め、名有るは万物の母」 子宮の中は、宇宙のよう。 娘を授かったときの、卵子の写真を見ていたら、万物の始めに命が漂っている感じがしました。 私たちの命には、限りがあるのです。 だから、この世に誕生した始めに名付けるのでしょうか…

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