道-Tao-を描く 〜老子を詠む女性画家たちの講読会〜

<一晴画廊 企画展ブログ> 中国古典の名著、老子『道徳経』をテーマに2018年10月30日(火)〜11日11日(日)に京都の一晴画廊にて展覧会を開催します。それぞれの画家が老子を読み解き、絵画へと変換していく思考の過程を一般公開する、新しい試みのブログです。

二十三、曲なれば則ち全し  山名しおり

山名しおりです。
 
一昨日、出勤前に父の通院に付添いました。
 
総合病院ということもあるのですが、朝の八時過ぎだというのに沢山の患者さんが
ロビーで待っておられました。
 
待てど暮らせど順番は来ない・・・。
 
イライラ。
こんな時こそ!せっかくできた時間ではないか!
と思いひたすら老子道徳経のテキストを手に取りブログを書いていました。
 
取り上げたいのは「23章 曲なれば則ち全し」です。
 
曲(きょく)なれば即ち全(まった)し、枉(ま)がれば即ち直(なお)し、窪(くぼ)めば即ち盈(み)ち、敝(やぶ)るれば即ち新たなり。
 
曲がりくねった役立たずでおれば、身を全うできる。
 
柔弱を守って剛強をさける処世態度が書かれ、
8章「上善は水の若し」と同じく不争の徳が語られています。
 
自ら伐(ほこ)らず、故に功あり、自ら矜(ほこ)らず、故に長(ひさ)し。それ唯(た)だ争わず、故に天下も能(よ)くこれと争う莫(な)し。
 
負けて勝つという逆転の発想
 
なかなか、現実には難しく目の前に横たわる感情に振り回されていると、そんな風に思えません。
 
今、良い結果を得たい、評価されたい。
誰しもが捉われてしまいます。
しかし、この章を読むと、もっと先を見なさいと言われている気がします。
 
この処世術はとても深いと思います。
 
先を見据えつつ、負けて勝つなんて、
とても勇気の要ること、そして自分自身を強く持たなければ成し得ないことだと思いませんか?
 
負けて勝つ。
そう、病院での待ち時間もイライラせずに吞み込んでこそ。
目先のことに一喜一憂してはいけないと何度も思いました。
 
 
<書き下し文> 
曲(きょく)なれば即ち全(まった)し、枉(ま)がれば即ち直(なお)し、窪(くぼ)めば即ち盈(み)ち、敝(やぶ)るれば即ち新たなり。少なければ即ち得られ、多なれば即ち惑う。ここを以(も)って聖人は一(いつ)を抱きて、天下の式(のり)と為る。自ら見(あらわ)さず、故(ゆえ)に明らか、自ら是(よし)とせず、故に彰(あら)わる。自ら伐(ほこ)らず、故に功あり、自ら矜(ほこ)らず、故に長(ひさ)し。それ唯(た)だ争わず、故に天下も能(よ)くこれと争う莫(な)し。古(いにし)えの謂(い)わゆる曲なれば即ち全しとは、豈(あ)に虚言(きょげん)ならんや。誠(まこと)に全くしてこれを帰す。
 

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