道-Tao-を描く 〜老子を詠む女性画家たちの講読会〜

<一晴画廊 企画展ブログ> 中国古典の名著、老子『道徳経』をテーマに2018年11月3日(文化の日)〜11日11日(日)に京都の一晴画廊にて展覧会を開催します。それぞれの画家が老子を読み解き、絵画へと変換していく思考の過程を一般公開する、新しい試みのブログです。

右脳世界と老子(2)

長谷川幾与です。

 

右脳世界と老子(1)はこちらから↓

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老子の道徳教を読み始める数ヶ月前から、
頭の中でかすかに「声」が聞こえるようになっていて、
なんとなくその声は頭の右奥から聞こえてくるような気がしていました。

その声は、こんなことをよく言います。

「そのままでいい」「それでいい」


こっちの道とこっちの道、どちらに行くべきか?と問うと、

「こっちに行くべき」  と答えます。


直感的に答える「声」に従うと、進んだ道で思わぬ幸運に出くわしたり、はっと驚く出来事がよく起こりました。
「声」はまるで、私の意識を超え、あらゆる要素を踏まえて物事を選択しているようでした。
「声」に従って描く絵には、意識を超えた安らぎがありました。

老子の道徳経と、私の中の「声」には、どこか共通点があると感じています。


その思いを確かなものにしたのが、ジル・ボルト・テイラーの著書「奇跡の脳-脳科学者の脳が壊れたとき-」でした。

この本は、 脳科学者であるジル・ボルト・テイラーが、自身が脳卒中になった経験を書いている本です。

左脳とその言語中枢を失うとともに、右脳が覚醒していく様子を、脳の解剖学の見地から説明しています。


ジル・ボルト・テイラーと老子の言葉には、共通する点が多くあります。ジル曰く、

「左脳は自分自身を、他から分離された固体として認知するように訓練されています。今ではその堅苦しい回路から解放され、わたしの右脳は永遠の流れへの結びつきを楽しんでいました。もう孤独ではなく、淋しくもない。魂は宇宙と同じように大きく、そして無限の海の中で歓喜に心を躍らせていました」

「自分についての認知が、本来の姿である「流れ」に戻ったのです」
「つまるところ、私たちの全ては常に流動している存在なのです」


ジルは右脳世界を「静寂への回帰」とし、「深い内なる安らぎ」が得られ、「永遠の流れに漂うような幸福感」を伴うと言います。
これは「道」のはたらきとよく似ています。


私が「声」に耳を傾けている時は、自身を「右脳」の回路に繋げているのだとわかりました。

社会性や秩序を重んじる儒教の教えが左脳派なら、自然の中に自己を解放する老子の言葉は右脳派です。

左脳の知識と欲望をたくさん蓄えた人が、今度は右脳に回路をつなぎ、優れた判断をしていく価値は十分にあるのではないかと思います。

 

 

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